以下全文↓
日本乗員組合連絡会議の
「2024年1月2日発生の羽田空港における航空事故に関する緊急声明」1)
を全国医師連盟理事会も支持します。
全国医師連盟理事会
全国医師連盟理事会は、日本乗員組合連絡会議の「2024年1月2日発生の羽田空港における航空事故に関する緊急声明」に賛同し、支持します。
そして、事故調設置の根拠法令に「目的外使用の禁止」の条文を盛り込むもしくは、刑法や刑事訴訟法を改正することを求めます。
現在、日本は国際民間航空条約(ICAO条約)を批准しているものの、事故調査と刑事司法手続きを完全に分離していません。したがって、ICAO条約第13付属書5.122)については“相違通告”を行っています。こうした状況は事故関係者や組織が責任追及を懸念し、率直な証言を躊躇する可能性につながることから、事故調査時のハザードの抽出の障壁となっています。
事故調査と刑事司法手続きの不分離という状況は、医療の現場でも同じです。医療事故調査がWHOのガイドライン3)から逸脱したいわば「不適切な状態」が続き、“現場への注意喚起”と”責任追及”ばかりが強調されており、システム改善が遅滞しています。
人命を預かるすべての業務に関わる事故調査は、刑事司法手続きと完全に分離させることで適切なハザードの抽出が可能となり、事故再発予防に初めて寄与することは疑いの余地がありません。
報道および情報発信は、“疑わしきは被告人の利益”とする刑事司法判断の原則に基づき、人権侵害が生じない報道に徹することを切望します。そして、再発予防を目的とした事故原因の調査究明を優先するために、事故調査委員会での証言や報告書を証拠として利用出来ないよう、事故調設置の根拠法令に「目的外使用の禁止」の条文を盛り込むもしくは、刑法や刑事訴訟法を改正することを求めます。
【参考文献】
3)https://iris.who.int/bitstream/handle/10665/69797/WHO-EIP-SPO-QPS-05.3-eng.pdf?sequence=1
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