ニュースリリース

2023/12/25

2024年1月21日(日) 第16回全国医師連盟シンポジウム開催

第16回全国医師連盟シンポジウム
テーマ:医師の働き方改革 〜あなたが職場を選ぶ時代へ!〜
日 時:2024年1月21日(日) 13時30分~16時30分
場 所:東京国際フォーラム
    オンラインでのリアル配信も予定しております。
参加費:無料
参加者:会場参加者  30名
    オンライン 100名

申込:https://zeniren-2024.peatix.com/

今回のシンポジウムのテーマ「医師の働き方改革の本当の課題〜医師のキャリアと働き方〜」

ご存じの通り、2024年4月より医師の働き方改革がスタートします。過労死ラインを超える時間外労働の上限が大きく取り上げられていますが、その本質は『医師のキャリアと働き方の変化』ではないかと考えております。
現状、『医師の働き方改革』に対しては、病院ごとに大きな取組に対する熱量が異なるように思えます。

抜け道を一生懸命に探す病院

・「宿日直許可が取れない」ので、夜間オンコールで対応して乗り切ろうとする救急病院
・勤務医ではなく、「業務委託契約」として、勤務医の労働時間規制を逃れようとする病院
・「自己研鑽」をすべて時間外労働として扱う事で、総労働時間の圧縮を図ろうとする研修病院

どうにかして、現状維持を図ろうとしていますが、方向性としては、いずれ是正される内容が多いように思えます。

逆に、これを希貨に医師の労働環境の是正に動いている病院もあります。
今回、登壇頂きます、遠藤希之先生の勤務する、仙台厚生病院は全国区の臨床研修病院であり、東北でも指折りの急性期病院でもあります。そんなすごい病院と比較されても、と思われるかもしれませんが、元々は結核病院であり、慢性期疾患を中心に診る病院で倒産危機もありましたが、病院の経営方針を変更し、現在に至ります。
仙台厚生病院に於ける、医師の働き方改革について、研修医・専攻医・指導医、それぞれがどのように取り組まれているのか、事例を含めてお話を頂こうと思います。
全国の勤務医の先生方にとって、聞いて得しかない内容かと思います。

次に、産業医についてです。
全国医師連盟の働きかけによって、病院長が病院の産業医を兼任する事についてはNGという事になりました。
産業医の立場は、労働者側に立つべきなのに、使用者が兼任しては駄目でしょう、という指摘だったのですが、これは思いの外、早く実現できました。(使用者が産業医になる、というのを前提に法制度を設計していなかった事もありますが)
「医師の働き方改革」に於いても、病院産業医が活躍してもよいのではないかと思いますが、現状、ほとんど話を聞きません。
そこで今回は、産業医として豊富な経験をもつ、林恭弘先生に登壇を頂きまして、医療機関であるべき産業医像についてお話を頂こうと思います。
また一般企業の産業医をしているご経験から、病院との違い、参考になる事例などについてお話を頂こうと思います。
勤務医も労働者であり、その健康を守る必要があります。そういう意味では「産業医の視点から病院を見る」という事例は少ないように思います。講演上手である林先生にご注目頂ければと思います。

最後に、荒木優子先生に登壇を頂きます。
医師の労務問題に取り組まれている弁護士で、医師の労務相談などに明るい先生です。
「医師の働き方改革」について法律的な観点から話をして頂きます。といいましても、実務的な対処法の問題点などを具体的に解説を頂きながら、勤務医が働きやすい環境作りにするにはどうすればよいか、という知見をお聞きできればと思っております。
労働基準法にも刑事罰があり、労働基準法第5条(※)に違反すると、労働基準法第117条の規定により、「1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金」となっています。
悪質な場合は書類送検される事例もあります。公共の福祉としての医療体制の維持と、労働者保護の観点からの法令順守は別に対立する概念ではありませんが、病院業界では「All or Nothing」で対立構造になっているようにも思えます。この辺りの整理などができれば、勤務医の先生方にとって知っておくべき内容となるのではないかと思います。

※労働基準法第5条
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

最後に、全国医師連盟の代表である榎木英介先生より、これからの勤務医はどう考えて、病院で働くべきか、話を頂きます。
「医師なのだから、超過重労働もやむなし」という時代ではなく「医師であっても普通の生活をしたい」というのが若手医師にとっては、当たり前になってきています。
「しっかりとした地域医療を継続していく為には、医師の生活を犠牲にするのも止む無し」を前提にする時代ではなくなった、と言う事です。若手医師のキャリアをしっかり考えなければ、地域医療の現場は「若手医師からも選ばれない職場」になりかねません。
一方で、国策レベルの議論では「あるべき論」に終始しており、時代の変化についてきていません。

今の社会は「持続性」を重視しているのに、なぜ医師の働き方だけが、勤務医の献身と消耗を前提にするのか?

持続性のある医療提供の環境作りもできるのではないか、と全国医師連盟では考えています。
誰だって、医療がない社会に住みたいとは思いません。
我々、医師だって病気にもなるし、ケガもします。自分が病気になって診てもらえないような社会はまっぴらごめんです。
だからといって、勤務医の献身的な自己犠牲ありきの社会も、望ましい社会とは言い難いです。
社会の持続可能性の観点から、「医師の働き方改革」はよい機会であり、何をどう変えていく事で世の中がよくなるのかをディスカッションできればと思います。
今回は、イケてる病院の先生、産業医、法律家といった多角的な視点から、医師の働き方改革のメリットと懸念点を整理して、理解を深められる機会となるシンポジウムを開催できればと企画した次第でございます。
多くの勤務医の先生に参加頂きたいですし、病院関係者、行政の皆様にも参加頂ければと思っております。

後日動画配信もさせて頂きますので、是非多くの方にご参加頂ければと思います。

申込:https://zeniren-2024.peatix.com/

登壇者
・荒木優子先生  荒川・荒木法律事務所 弁護士
・榎木英介先生  一般社団法人全国医師連盟 代表理事、医師
・遠藤希之先生  一般財団法人厚生会 仙台厚生病院 Consultant Pathologist, Chief.
・林 恭弘先生  合同会社ディープ・フォレスト代表社員 産業医