メールマガジン

2017/3/22

<第70号>      平成29年3月22日発行

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■■■■■  全国医師連盟 メールマガジン  ■■■■■■■

■■ Mail Magazine from Japan Doctors League ■■■

           発行:全国医師連盟メールマガジン編集部

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  <第70号>      平成29年3月22日発行

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━━ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[1] ごあいさつ

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[2] 第10回 全医連集会(午後)について

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[3] 事故調に関する取り組み(1):m3.comに投稿しました。

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[4] 事故調に関する取り組み(2):代表理事の投稿原稿と取材

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[5] ガッテン!をBPOに

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[6] 新専門医制度が怪しい!

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[編集後記]

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━━[1]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ごあいさつ

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 暖冬かなと感じていた今季ですが、インフルエンザは通常通り流

行しました。私の勤務している病院では職員が続々と罹患し、病棟

閉鎖の憂き目にも遭いました。

 インフルエンザB型はこれからです。感染対策には万全の備えが

まだ必要ですね。

 また、花粉症もピークの時季のようです。地域差はあるでしょう

が、つらい季節を何とか乗り越えていただければと存じます。

 全医連メールマガジン(第70号)をお届けします。最近の全医

連に関する様々な情報や、今後の予定についてお伝えします。ホー

ムページなどに情報があるものなどは、リンクを張ってあります。

では、どうぞ。

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第10回 全医連集会(午後)について━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

第10回全国医師連盟総会(午後)のご案内です。

平成29年6月4日(日)午後1時から開催します。

会場は、いつもの主婦会館ではなく、東京国際フォーラムG402で

す。

今回のテーマは、「真の救済補償制度の設立に向けて(仮)」です。

演者(予定):大磯義一郞先生(浜松医科大学医療法学教授)

       中島 恒夫  (全国医師連盟代表理事)

 現在、医療全般に関する救済補償制度は非常に乏しいです。医療

事故に遭われた方々の救済補償を、「損害賠償保険(損保)」からの

給付とすること多いため、損保会社が「審議」した上で給付を決定

しています。その際に、損保会社は医療側の「過失」の有無を大変

重要視しています。すなわち、業務上過失致死傷害罪と関連してき

ます。

 また、営利企業である損保会社は、給付の減額を当然目論みます。

減額されては、救済できません。

 既存のこの仕組みは損保会社が差配しています。当然、日本医師

会や各医学会は損保会社の支配下となっています。

 損保会社が医療機関(http://medg.jp/mt/?p=1535)や医療従

事者(http://medg.jp/mt/?p=352)(http://www.kurokilaw.com/qanda/ijiqanda14.pdf)

を訴えることもありえます。実際に、外資系損保が某大学を訴えた

こともありました。

 損保会社の手を離れた救済補償制度とするための「元手」、すな

わち、基金も必要です。しかし、別業界ですが、基金の悪用、私的

流用という事例(かんぽ、グリーンピアなどなど)もかつてはあり

ました。基金をどのように管理すべきかという問題もあります。

 医療界においては、薬剤による副作用の救済、産科無過失補償制

度などもありますが、補償内容は薄く、瑕疵だらけの制度です。産

科無過失補償制度は「無過失補償」でも何でもありません。損保会

社が産婦人科医の過失認定をしています。

 このような現状では、医療者も、患者さんも互いに不幸です。救

済補償制度自体が必要であることは誰もが認めるところでしょうが、

その制度設計の段階から、難題ばかりが横たわっています。現時点

で明らかになっていない様々な問題点もあるでしょう。

 第10回全国医師連盟集会が、理想的な救済補償制度を実現するた

めの契機となれればと考え、企画しました。

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事故調に関する取り組み(1):m3.comに投稿しました。

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拙文

医療事故調査・支援センター、今すぐにできること

偶発症に関する情報共有の『場』充実、学会に勧告を

が、m3.comから配信されました。 https://www.m3.com/news/iryoishin/495463

整った文章とは言い難い状態でしたが、勢いで投稿しました。

ご一読いただければ幸いです。

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事故調に関する取り組み(2):MRICに投稿しました。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 これまでにも医道審議会の問題を指摘してきましたが、3/6に、

医道審に関する提言をプレスリリースしました。同日、厚労三役に

も要請しました。

http://zennirenn.com/news/2017/03/post-78.html

 また、MRICへも同様の文章を投稿し、配信されました。

http://medg.jp/mt/?p=7393

 3月下旬にも医道審は開催されます。どのような発表がなされる

のか、注視してください。

━━[5]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ガッテン!をBPOに

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 これまでにも医療界からは噴飯物だった「ガッテン!」が、また

してもやらかしました。

 2月22日に、「ベルソムラ」の不適切使用(もちろん違法)を推

奨する内容を放送しました。

 一般的に医師がこのような内容を流布すれば、「医道審議会」で

医業停止処分を言い渡されるべき内容です。放送業界なら、局の取

り潰しに相当すべきでしょう。

 ガッテン!はこれまでにも前歴が多数ありますので、今回の放送

内容を踏まえ、BPO(http://www.bpo.gr.jp/?page_id=1119)に

意見を送付しました。 http://zennirenn.com/news/2017/03/bpo.html

 全医連は、「医療情報の啓発」も活動方針としています。おかし

な報道や出版には警鐘を鳴らし続けたいと考えています。

━━[6]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新専門医制度が怪しい!

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 1年間延期となった「新専門医制度」を巡る動きが非常に怪しい

状態です。大学病院を中心とした制度を目論んでいるようですが、

実臨床を妨げる様々な問題が全く解決されないままです。

(1)必要専門医数と質確保の方法が十分に検討されていない。

(2)なぜ基本領域が19なのか?

   サブスペシャルティとの関係が整理されていない。

(3)研修プログラム制が基本で、働き方に柔軟性が無い。

   女性医師のキャリア形成への配慮が無い。

(4)専攻医の短期間ローテートは医師偏在対策になりえない。

   「お客様状態」の研修は、不十分なトレーニング。

   その上、医療安全の観点からもリスクが増加する。

(5)大学医局との関連が薄い病院は、人材不足に陥る。

(6)専攻医の身分保障や経済面への配慮が無いため、研修に専念で

きない、

(7)1年間延期したわりには、これらの問題の解決が全く進んでい

ない。

(8)基本19領域の専門医を失効した場合、サブスペシャリティの

専門医も自動的に失効する。

 これらの問題を本来であれば解決すべき立場の「日本専門医機構」

が、仕事を全くしていません。

 そもそも、日本専門医機構という組織の目的は、専門医の質を高

めることのはずでした。ところが、実際には、大学病院などの限ら

れた施設での「研修プログラム制」の導入を目論み、「医師の時間

と場所」を制約し、結果的に医師の配置を差配する手段としようと

しています。

 そこで、安藤哲朗先生(安城更生病院副院長)を代表とし、『専

門医制度の「質」を守る会』を作りました。私中島も呼びかけ人と

して参加しました。 https://www.change.org/p/stopsinsenmoni-excite-co-jp-新専門医制度-平成30年度からの開始に反対します

 若手医師の皆さん、将来がかかっています。

 指導医の皆さん、地域医療の将来もかかっています。

多くの医師からの声を反映させましょう。お願いします。

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編集後記

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 メールマガジン第70号をお届けしました。

 うかうかしていると、医療環境がどんどん劣悪化していきます。

それは、医療者自身の置かれる環境が劣悪化し、地域の医療環境も

劣悪化します。いわゆるブラック状態なのでしょう。

 ブラック状態を強いているのは誰なのか。それは、利益を得る人

です。誰かが楽をしている裏では、誰かが苦労をしている、苦労を

強いられている。医療界だけでなく、社会全体に共通しています。

 「医療は互助制度!」と私は常々口にしていますが、社会全体に

互助精神がもっと広まって欲しいと願っています。

 全医連メールマガジンに「このような情報も載せてほしい」「こん

な情報があります」「こんな工夫をしてみたら?」などのご意見があ

りましたら、是非お寄せ下さい。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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●全医連メールマガジン編集責任者:代表理事 中島恒夫

全医連HP      http://zennirenn.com/

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