メールマガジン

2016/7/11

<第68号>      平成28年7月11日発行

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■■■■■  全国医師連盟 メールマガジン  ■■■■■■■

■■ Mail Magazine from Japan Doctors League ■■■

           発行:全国医師連盟メールマガジン編集部

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  <第68号>      平成28年7月11日発行

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━━ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[1] ごあいさつ

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[2] 2015年度活動報告

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[3] 第9回全医連集会を開催しました。

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[4] 参議院選挙を受けて

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[5] 米国の国歌運輸安全委員会が管轄する「事故被害者支援制度」

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[6] 事故調査制度の国際標準化

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[7] イベントのお知らせ

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[編集後記]

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ごあいさつ

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 皆様、大変御無沙汰いたしました。代表理事の中島恒夫です。

メールマガジンの配信が滞っており、申し訳ございませんでした。

 遅ればせながら、この春の役員選挙で、代表理事に再任されまし

たことをご報告申し上げます。この2年間の任期を全うできるよう、

努力いたします。皆様方からのお力添えを、引き続きお願い申し上

げます。

 全医連メールマガジン(第68号)をお届けします。第66号、

第67号は、全医連役員選挙に関する全医連会員向けの内容のみで

したので、休刊といたしました。ご容赦願います。

 今年上半期の全医連に関する様々な情報や、今後の予定について

お伝えします。ホームページやインターネット上に情報があるもの

などは、リンクを張ってあります。では、どうぞ。

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2015年度活動報告

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・プレスリリース

 4月20日 医療事故調に関するパブリックコメントを提出。

http://zennirenn.com/news/2015/04/post-67.html

 7月16日 「ウログラフィン」誤投与事故の一審判決に対す

      る緊急声明。

http://zennirenn.com/news/2015/07/post-71.html

 3月16日 麻酔科医師労災民事訴訟に対する声明。

http://zennirenn.com/news/2016/03/post-73.html

・活動

6月9日 「医療事故調査制度に関するQ&A」に関する改善

     を、厚生労働大臣、政務官、医政局長、総務課長に

     要請。

http://zennirenn.com/news/2015/06/post-70.html

3月16日 麻酔科医師労災民事訴訟に対する声明を、最高裁判

     所事務総長、東京高等裁判所所長、東京地方裁判所

     所長に送付。

http://zennirenn.com/news/2016/03/post-73.html

・その他の活動

事故調ネット幹事会(月1回)に参加。

4月21日 日経メディカルオンライン取材記事

シリーズ◎どうする医療事故調査制度

水戸黄門と消費者事故調に学ぶ医療事故調制度のあり方

全国医師連盟代表理事代行の中島恒夫氏に聞く

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t232/201504/541768.html

・講演

5月23日 日本整形外科学会シンポジウム「医療事故調査制度

     の検討」シンポジストに代表理事の中島が招聘され、

「勤務医にとっての医療事故調査制度」を発表。

9月3日 (社)メディカルスタディ協会東海研修会に代表理

     事の中島が講師として参加。

  「医療業界に「早い」「安い」「旨い」は並列しない!」

9月25日 医療事故調査制度講演会 丸子中央病院

      代表理事の中島が講演しました。

11月2日 医療事故調査制度講演会 佐渡総合病院

      代表理事の中島が講演しました。

・代表理事の投稿

・5月12日 日経メディカルオンライン 私の視点

群馬大病院腹腔鏡事故の事故調査手法は「べからず

     集」の大典である

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/orgnl/201505/542025.html

・5月22日 m3.com 医療維新

“黒塗りされた産業医” に、健康管理してほしいです

     か?

過重労働による勤務医の過労死を防ぐ提案

https://www.m3.com/news/iryoishin/322563

・代表理事の共同執筆

・医療事故調運用ガイドライン(へるす出版)

・Q&A医療事故調ガイドブック(中外医学社)

http://www.chugaiigaku.jp/item/detail.php?id=1811

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第9回全医連集会を開催しました。

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 今回は、勤務医の「長時間連続勤務規制」に向けたテーマとしま

した。

「2025年、医師は本当に余るのか?」

−勤務医の教育環境、労働環境、医療の質を改善するために今から

何をすべきか。ー

 昨年末以来、厚労省内で「医師需給分科会」が開催されました。

分科会からは、2024年~2032年には医師は充足するという発表が

ありました。

(参考資料:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000120209.pdf)

 しかし、地域や診療科の医師の偏在という問題もあります。単純

に頭数だけ増えれば良いという話でもありません。また卒後50年以

上の医師の半分が就業していることを前提とした議論ですので、非

現実的な議論が展開されています。

 勤務医の過重労働問題も、医師数が充足すれば解決する問題では

ありません。大学医局からの医師派遣能力が低下して、医師確保が

困難になり、勤務医の待遇改善を図る医療機関はありますが、個々

の医療機関の努力による改善で解決するわけではありません。何よ

りも、医療安全の観点からも、明確なルール作りが必要です。

 医師を増やすと簡単には言うものの、指導医にかかる負担の問題

もあります。現在の研修制度では、指導医が指導できる研修医は5

人までとされていますが、5人も指導するのは大変なはずです。実

際には、2〜3人に限定した指導体制にしているのではないでしょ

うか?

 院外に目を向けると、今後増える看取りの需要に対して、看取り

の供給だけでなく、看取りにたどり着けない大量死(検死)の担い

手としての医師も足りないはずです。

 今回の全医連集会では、代表理事の中島の私的な考えを発表しま

した。

 医師数に関する議論を行う前提として、(1)実働年齢層の医師

数を増やすこと、(2)医療安全のために長時間連続労働をさせな

いこと、これらを念頭におかなければならないことを発表しました。

 また、地域偏在を語る場合、市町村合併が進んだ結果、広域化し

た医療圏の消極的集約化を考慮し、二次医療圏の面積あたりの医師

数を算出し、その値によって(3)アクセス道路の整備、(4)ド

クターヘリの整備、(5)遠隔診療の推進、(6)診療報酬への反

映、これらの整備を進めるべきであると発表しました。

 新専門医制度についても、勤務医が過重労働から解放されない、

という内容を発表しました。

 また、全医連会員内でも賛否両論であるとは承知していますが、

私的意見として、複数科受診時の診療報酬減算の廃止を提案しまし

た。この減算政策は、「医療はサービス業だ!」と主張する方には

当然の発想かもしれませんが、「医療がインフラである!」と考え

ている私には受け入れられません。この減算は、真面目に診療して

いる医療従事者を馬鹿にした制度でしかありません。

 この減算を廃止すれば、(1)病院の収益が上がる? (2)タ

スクシフトを推進するための人件費となる、(3)外来受診制限→

→入院診療への専念、(4)開業医への受診が増える、(5)開業

医がもっと必要になる、(6)医師数はもっと必要になる、となり

ます。

 問題は、現在の診療報酬では、患者の実質負担額が増えるという

ことでしょう。

 その後、近森正昭先生(近森病院)から高知県(ある意味、四国

全体)の集約化の実状をご発表いただきました。

 また、ゲストスピーカーとして、公益財団法人大原記念労働科学

研究所の佐々木司先生から長時間連続労働の危険性をご講演いただ

きました。

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参議院選挙を受けて

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 参議院選挙は自民党の勝利となりました。今後の社会保障政策で

は、大きな変化がなさそうです。

 そうは言っても、医療現場の問題を国会議員に伝え続けなければ

なりません。皆様方からのお声を、全医連SNSに書き込んでくださ

い。または、代表理事や理事に直接お伝えください。

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米国の国歌運輸安全委員会が管轄する「事故被害者支援制度」

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 事故が起きた際の、被害者や被害者家族に対するサポートには、

まだあまり注目されていません。

 医療事故の分野では、「対話」などを中心としたmediationが行

われることもありますが、グリーフ・ケアのような活動はまだ一般

的ではありません。

 似たような法律というと少し語弊はありますが、「犯罪被害者等

基本法(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付

随する措置に関する法律:平成12年5月19日法律第75号))」が

あるにはあります。ですが、医療事故などにはあまりにも似つかわ

しくないです。

 代表理事の中島も参加している消費者事故調のオンブズマン組織

である「事故調ねっと」の定例幹事会で、日本乗員組合連絡会議の

井上徹也さんが、米国の国家運輸安全委員会が管轄する「事故被害

者支援の制度」をレクチャーしてくれました。 http://www.ntsb.gov/tda/Pages/default.aspx

 全米でたった6名のコーディネーターしかいないそうですが、そ

のマニュアルの細やかさには驚きました。英文ですが、上記URLに

様々な内容が掲載されています。斜め読みでも、目を通していただ

く価値があります。

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事故調査制度の国際標準化

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 様々な業界で様々な事故形態があるとはいっても、再発防止や安

全目的の事故調査手法に基本があると、私は考えています。そのた

めには、できるだけ早い段階での証拠収集などが重要であることは

当然(共通)です。

 そして、現在の刑法、刑訴法は、再発防止を目的とした事故調査

の最大の妨害要因と考えています。

 消費者事故調のオンブズマン団体である「事故調ねっと」では、

再発防止目的の事故調査手法の国際標準化(ISO)取得に向けて活

動しており、私も協力しています。

 主婦連合会の河村真紀子さんが代表して、6月にジュネーブで講

演されました。 http://www.cvent.com/events/copolco-2016/event-summary-1f85c50ca6b14a4b90147cad2890b24f.aspx

https://custom.cvent.com/75758B67B35D44E6974ED7484AAEE53B/files/41d1074116bd464bb06d17d167ae981e.pdf

ウケも良かったとの報告がありました。

 事故調ねっとでは、8月末までの完成を目指しています。

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イベントのお知らせ

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 消費者庁の徳島への移転に反対する集会を、8月8日(月)午後

6時から、東京都JR四ツ谷駅前の主婦会館プラザエフで、日弁連

が主催します。

 安倍首相は、政府機関の地方移転を「地方創生」の一環と位置付

けており、来年3月に結論を出す予定だそうです。34機関をすでに

リストアップしており、その中に、消費者庁・ 国民生活センターが

含まれるそうです。

 この移転には河野太郎消費者行政担当相が非常にノリノリで、政

府は消費者庁の徳島移転だけは、8月末までに移転の可否を前倒し

で決めることとしました。そこで、消費者庁長官以下、30人が、徳

島県で業務を7月4日から1か月間行い、課題がないか検証する大

規模な実証実験が始まりました。

 政府機能の地方移転は、東京の一極集中を解消する1つの方法で

しょうが、消費者行政全体の司令塔として誕生した消費者庁や、全

国の消費生活センター・消費生活相談窓口のセンターとして、地方

支援等を行う国民生活センター、消費者行政全体の監視を行う消費

者委員会を地方に移転することは、これらの機能を大幅に低下させ、

消費者行政全体に非常に大きなダメージを与えかねません。

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編集後記

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 メールマガジン第68号をお届けしました。

 半年近くためこんだ情報を一気にお伝えいたしました。今後は、で

きるだけ定期的に(春夏秋冬で)配信できれば、と考えています。

 県立奈良病院時間外手当等請求事件後、全国の都道府県立病院の

36協定などの開示請求を行い、過労死基準を突破した協定が数多

くあることを第7回全医連集会(H.26)で披露しました。その状況

を踏まえ、勤務医の過重労働を産業医がチェックしていないのでは

ないかと考え、一昨年に、国会議員に「産業医」の在り方について

要請して回ったことがありました。

 そして、公立八鹿病院研修医過労死裁判での情報開示を基に、

「”黒塗りされた産業医” に、健康管理してほしいですか? 〜過重

労働による勤務医の過労死を防ぐ提案〜」という投稿が、m3.com

の医療維新に、昨年、掲載されました。 https://www.m3.com/news/iryoishin/322563

 その後、何の音沙汰もなかったのですが、5月に突然、ニュース

が入ってきました。 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000115152.html

「~法人の代表者などが、自らの事業場の産業医を兼任することが

禁止になります~」

 え?

 某ネット系メディアの記者さんから直接連絡があり、驚きました。

「全医連が圧力をかけていましたよね。」

圧力なんて力はありませんが、いつの間にかそのような流れになって

いたとは、驚きました。

 ふり返れば、足かけ3年がかり。これくらいの年月を見通さなけれ

ばならないのだと再認識しました。

 全医連メールマガジンに「このような情報も載せてほしい」「こん

な情報があります」「こんな工夫をしてみたら?」などのご意見があ

りましたら、是非お寄せ下さい。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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●全医連メールマガジン編集責任者:代表理事 中島恒夫

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全医連HP      http://zennirenn.com/

全医連メールアドレス info@zennirenn.com

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