メールマガジン

2015/1/03

<第54号>      平成27年1月3日発行

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■■■■  全国医師連盟 メールマガジン  ■■■■■■■

■■ Mail Magazine from Japan Doctors League ■■■

           発行:全国医師連盟メールマガジン編集部

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  <第54号>      平成27年1月3日発行

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[1] ご挨拶

………………………………………………………………………………

[2] 議員回りの予定

………………………………………………………………………………

[3] 第4回医療事故調シンポジウムの開催のお知らせ

………………………………………………………………………………

[4] 全医連総会、集会について

………………………………………………………………………………

[編集後記]

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 あけましておめでとうございます。旧年中は数々のお力添えをあ

りがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。

 新しい年を、皆様はどのように迎えられましたでしょうか。私自

身は、息を抜けない患者さんを担当していたため、一年の計も元旦

どおりになりそうです。笑顔で年末を迎えられるよう、努力を続け

たいと思います。

 全医連メールマガジン(第54号)をお届けします。今号も、最近

の全医連に関するさまざまな情報をお伝えします。

 ホームページなどに情報があるものなどは、リンクを張ってあり

ます。では、どうぞ。

━━[1]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ご挨拶

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今年で全医連も設立8年目となります。設立集会の記憶が、私に

はまだ新しいです。

 今起きている問題の解決を先送りせず、次世代に負担を負わせな

い医療制度を作ることが私たち世代の使命と考えています。

 全医連の活動に、これからもお力添えをいただけますよう、お願

い申し上げます。

━━[2]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

議員回りの予定

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ドタバタのうちに終わった衆議院選挙を経て、衆議院の厚生労働

委員の顔ぶれが決まりました。 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_iinkai.nsf/html/iinkai/iin_j0070.htm

全医連の主張を伝えるために、1月末から2月にかけて、代表理事

の中島が永田町に何度か足を運ぶ予定です。

 新しい厚生労働委員会委員長は、大学院で労働法を専攻していた

そうです。 http://www.hiromichi21.com/profile/index.html

━━[3]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

第4回医療事故調シンポジウムの開催(予定)について

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 第4回医療事故調シンポジウム(全医連主催)を3月8日(日)

に開催します。この秋の制度運用開始を前に、厚労省は3月にパブ

リックコメントを求めると予想しています。正しい医療事故調査と

はどういうものかを厚労省に今一度再考させ、多くの現場の声をパ

ブリックコメントに寄せていただきたいと考えています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

全国医師連盟 第4回医療事故調シンポジウム(概要)

「新たな医療事故調査制度の下で、現場の管理者、医療従事者は何

をすべきなのか?」(仮題)

日時:3月8日 13:30~16:30

場所:主婦会館プラザエフ http://plaza-f.or.jp/

〒102-0085 東京都千代田区六番町15

   JR中央線 四ツ谷駅 南口目の前

シンポジスト(候補者)

 全医連から(勤務医の立場で)

 開業医の立場で:満岡 渉先生(諫早市医師会副会長)

 管理者の立場で:小田原良治先生(日本医療法人協会常任理事)

 弁護士の立場で:長谷部圭司先生(医師、弁護士)

(シンポジウム終了後、同建物内で懇親会を予定しています)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 医療事故の多くはシステムエラーです。システムエラーを改善す

るためには、個人の過失を問わないことが必須です。当事者に過失

を押しつれば、黙秘するのは道理です。個人攻撃型事故調は勤務医

を人柱にし、システムエラーを隠蔽します。その医療機関の事故調

が個人攻撃型か否かは、勤務医の医師生命を大きく左右します。開

業医や中小病院の事故調は、都道府県医師会や近隣の大学病院の影

響力が大きくなると予想できます。

 真の事故調は、医療安全に寄与するものでなければなりません。

各医師の診療技能、世代、院内での役職によって、起こり得る医療

事故は異なります。その情報を共有し、集積、解析することで、医

療安全に貢献できます。

 医療事故が一旦発生すると、最後に関わった医師を個人攻撃する

数多くの「敵」が、同時、異時、多発的に発生します。1:患者・

家族、2:事故調査委員(院内・外部:医師会、学会)、3:病院

管理者、4:同僚、5:院内他職種、6:損保会社、7:自治体病

院であれば議員や事務職公務員、8:警察・検察、9:弁護士(原

告側、被告側)、10:裁判官、11:メディア。これらの「敵」は、

医療事故の原因を「個人の過失」に帰結することを「是」とするこ

とで自らの過失を隠したり、あるいは利益を得ることができます。

患者は「私怨」だけが目的です。弁護士は「成功報酬」だけが目的

です。個人攻撃型事故調の中で、最も弱い立場にいるのが医療現場

の最前線にいる医師です。

 個人攻撃型事故調は医療安全の最大の阻害要因です。人間は誰で

もエラーを起こしえます。「誰が?」ではなく、「何がそうさせた

?」という思考で調査しなければ、同じ医療事故が、別の医療機関

で、他の誰かによって、いずれ繰り返されます。「確認」「根性」

「気合い」で防げる医療事故はありません。

 医療事故調査制度に対する厚労省の「本気」を、未だに全く感じ

ません。厚労省は、全医療機関から事故報告書を提出させ、行政処

分に繋げられるようにして、自らの権力の集中をよりいっそう高め

ようとしています。既存の外郭団体である日本医療機能評価機構、

日本医療安全調査機構(モデル事業を行った組織)といった天下り

団体を生きながらえさせるために、財務省に11億円という予算請求

をしました。年間2000例を想定した予算です。1件あたり、55万

円で医療事故調査をする(させる)ようです。 http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/15syokan/dl/02-11.pdf

(2−(1)−⑥)

 しかし、そのモデル事業は、平成22年度から25年度までの4年

間で、115例を受付し、105例しか評価結果報告書を交付していま

せん。年間2000例という想定は、欺瞞以外の何物でもありません。

http://www.medsafe.jp/pdf/houkoku25.pdf

 本来議論しなければならないことは、WHOドラフトガイドライ

ンに則った事故調査の正しい手法を広めることであり、報告を受け

た情報を解析する手法の普及であり、事故調査官の養成などの人材

育成のはずです。

 これまで、医療事故の原因を「確認不足」「注意不足」といった

ヒューマンエラーで結論づけてきた日本医療安全調査機構には「シ

ステムエラー」の発想が欠落しており、結局は医療事故の再発を野

放しにさせてきました。

 医療安全のための事故調査は、背景要因を可能な限り多く挙げ、

それら1つ1つに対して改善策を図るべきです。人手も必要です。

スピードも必要です。医療制度で語られるオレゴンルールは、医療

事故調査にも当てはまります。「早い」「安い」「上手い」は並立

しません。厚労省はたった11億円の予算しか請求していません。

日本医療安全調査機構の事故調査手法は「下手」です。モデル事業

は「遅い」です。調査結果の発表まで6ヶ月から1年かかります。

 医療安全のための事故調査を本気で進めるのであれば、厚労省と

国と国民は、医療事故調査に人手と金をもっとかけるべきです。安

全を安く得ようというケチくさい根性は、捨て去るべきです。

━━[4]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

全医連集会について

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 6月7日(日)午後に、全医連集会を予定しています。正式な日

時、会場が決まりましたら、改めてお知らせいたします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

編集後記

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 メールマガジン第54号をお届けしました。

 全医連も春からは8年目に入ります。まだまだ小さな団体ですが、

良いことをけっこう言っていると自負しています。それをどれだけ

行動に移して反映できるかが、課題だと思います。より良くなるよ

う願うだけではなく、1人1人が少しずつ行動していくことこそが

重要なのかもしれません。

 この全医連メールマガジンも、世の中を良くするために役立つも

のにしていければと思います。「このような情報も載せてほしい」

「こんな情報があります」「こんな工夫をしてみたら?」などのご

意見があれば、是非お寄せ下さい。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●全医連メールマガジン編集責任者:代表理事 中島恒夫

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

全医連HP      http://zennirenn.com/

全医連SNS     http://doctors21.jp/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━