メールマガジン

2014/12/24

<第53号>      平成26年12月24日発行

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■■■■■  全国医師連盟 メールマガジン  ■■■■■■■

■■ Mail Magazine from Japan Doctors League ■■■

           発行:全国医師連盟メールマガジン編集部

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  <第53号>      平成26年12月24日発行

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━━ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[1] 衆議院選挙を終えて

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[2] 公立八鹿病院過労死訴訟の進捗状況について

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[3] 医療事故調の動きについて

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[4] 第4回医療事故調シンポジウムの開催(予定)について

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[5] 平成27年 全医連役員選挙について

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[6] 全医連総会、集会について

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[7] 全医連新年会

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[8] 会費納入方法についての、ご意見をお寄せください。

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[9] 会費納入のお願い

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[編集後記]

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 もういくつ寝ると、お正月。しかし、年越し前のやっつけ仕事が

増える一方です。この分では、年末年始休暇中に消化しなければな

らなくなりそうです。

 全医連メールマガジン(第53号)をお届けします。今号も、最近

の全医連に関するさまざまな情報をお伝えします。

 では、どうぞ。

━━[1]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

衆議院選挙を終えて

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 唐突な印象だった衆議院選挙でしたが、終えてみれば、当然の帰

結だったという評論の多さが目立ちます。民主党内のマル秘資料が

自民党に流出してしまい、「今なら勝てる」と見込んで解散に踏み

切ったのだと思っていましたが、それは折り込み済みで、自民党内

の反安倍派にモノを言わせない体制固めが目的の解散だったようで

す。

 閣僚もそのまま留任し、厚労三役もそのまま留任と報じられまし

た。12月24日には第3次安倍内閣が発表されます。 あとは厚生労

働委員の顔ぶれがどのように変わるのか、注視します。

 1月から2月にも何度か上京し、全医連の主張を、永田町に引き

続き伝えていきます。

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公立八鹿病院過労死訴訟の進捗状況について

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 公立八鹿病院の研修医過労死裁判での鳥取地裁判決に対する「意

見書」を作成して欲しい、との依頼を、中原のり子さん(全国過労

死を考える家族の会・東京代表)とAさん(享年34歳)のお母様か

ら10月5日に受けました。控訴審に向けて、この理不尽な地裁判決

に対する「意見書」を、様々な医療従事者から上げて欲しいとのこ

とでした。

 鳥取地裁の判決で最も問題なことは、「医学知識を持っている医

師ならば、自らの体調を自身でもっと管理でき、自殺を予防できて

当然だ」との点です。鳥取地裁のこの過失相殺判決は、現場を、そ

して、うつ病を全く理解していない非常に理不尽なものです。

 そこで、全医連執行部声明という形で、広島高裁宛の意見書を担

当弁護士に送付しました。また、代表理事の中島の私的意見書も合

わせて送付しました。これらの意見書の公開を予定してはいますが、

担当弁護士から、「今の時点でメディアに騒がれると、裁判官は被

告等へ必ず同情してしまい、裁判へのプラス影響はない」とのこと

で、今は、粛々と進める戦略のようです。

 判決は来春とのことです。判決が出てからこれらの意見書を公開

する予定です。

━━[3]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

事故調の動きについて:未だ、予断許さず!

           予算請求はたった11億円

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 平成27年10月から施行されるはずの医療事故調の議論が、未だ

迷走中です。科研費でガイドラインを作ろうとした厚労省の目論見

が狂い、医政局長権限で省内に検討会を新たに作ったものの、相も

変わらず議論が紛糾しています。

 議論が進まない理由は、医療安全についての議論を全くしない構

成員たちがいるからです。改正医療法で、医療事故調査は医療安全

のために行う、とされているにもかかわらず、自己の利益のため、

私怨のために、我田引水の持論を展開する不適格構成員たちが議論

を阻んでいます。

 厚労省は、全医療機関から事故報告書を提出させ、行政処分権限

に繋げられるようにして、自らの権力の集中をよりいっそう高めよ

うとしています。既存の外郭団体である日本医療機能評価機構、日

本医療安全調査機構(モデル事業を行った組織)といった天下り団

体を生きながらえさせるために、財務省に11億円という予算請求を

しています。年間2000例を想定した予算です。1件あたり、55万

円で医療事故調査をする(させる)ようです。 http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/15syokan/dl/02-11.pdf

(2−(1)−⑥)

 しかし、そのモデル事業は、平成22年度から25年度までの4年

間で、115例を受付し、105例しか評価結果報告書を交付していま

せん。年間2000例という想定は、欺瞞以外の何物でもありません。 http://www.medsafe.jp/pdf/houkoku25.pdf

 日本医師会は中小病院の事故調査に関わることでその利権を得よ

うとし、厚労省のいいなりの状態です。モデル事業では、都道府県

医師会が受付窓口となっている地域もあります。

 本来議論しなければならないことは、WHOドラフトガイドライ

ンに則った事故調査の正しい手法を広めることであり、報告を受け

た情報を解析する手法の普及であり、事故調査官の養成などの人材

育成のはずです。

 これまで、医療事故の原因を「確認不足」「注意不足」といった

ヒューマンエラーで結論づけてきた日本医療安全調査機構には「シ

ステムエラー」の発想が欠落しており、結局は医療事故の再発を野

放しにさせてきました。

 医療安全のための事故調査は、背景要因を可能な限り多く挙げ、

それら1つ1つに対して改善策を図るべきです。人手も必要です。

スピードも必要です。

 医療制度で語られるオレゴンルールは、医療事故調査にも当ては

まります。「早い」「安い」「上手い」は並立しません。厚労省は

たった11億円の予算しか請求していません。日本医療安全調査機

構の事故調査手法は「下手」です。モデル事業は「遅い」です。調

査結果の発表まで6ヶ月から1年かかります。

 医療安全のための事故調査を本気で進めるのであれば、厚労省と

国と国民は、医療事故調査に人手と金をもっとかけるべきです。安

全を安く得ようというケチくさい根性は、捨て去るべきです。

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第4回医療事故調シンポジウムの開催(予定)について

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 現在、執行部では、第4回医療事故調シンポジウムの開催の準備

を始めています。

 医療事故調査制度に対する厚労省の「本気」を、未だに全く感じ

ません。患者は「私怨」だけが目的です。弁護士は「成功報酬」だ

けが目的です。

 医療事故が一旦発生すると、勤務医には数多くの「敵」が、同時、

異時、多発的に発生します。1:患者・家族、2:事故調査委員(

院内・外部:医師会、学会)、3:病院管理者、4:同僚、5:院

内他職種、6:損保会社、7:自治体病院であれば議員や事務職公

務員、8:警察・検察、9:弁護士(原告側、被告側)、10:裁判

官、11:メディア。これらの「敵」は、医療事故の原因を個人の過

失に帰結することを「是」とする旧種人です。何故なら、誰かに過

失責任を負わせることで自らの過失を隠したり、あるいは利益を得

ることができるからです。個人攻撃型事故調の中で、最も弱い立場

にいるのが勤務医です。

 個人攻撃型事故調は医療安全の最大の阻害要因です。人間は誰で

もエラーを起こしえます。「誰が?」ではなく、「何がそうさせた

?」という思考で調査しなければ、同じ医療事故が、別の医療機関

で、他の誰かによって、いずれ繰り返されます。「確認」「根性」

「気合い」で防げる医療事故はありません。

 医療事故の多くはシステムエラーです。システムエラーを改善す

るためには、個人の過失を問わないことが必須です。当事者に過失

を押しつれば、黙秘するのは道理です。個人攻撃型事故調は勤務医

を人柱にし、システムエラーを隠蔽します。その医療機関の事故調

が個人攻撃型か否かは、勤務医の医師生命を大きく左右します。

 真の事故調は、医療安全に寄与するものでなければなりません。

各勤務医の診療技能、世代、院内での役職によって、起こり得る医

療事故は異なります。その情報を共有し、集積、解析することで、

医療安全に貢献できます。

 第4回医療事故調シンポジウムの詳細が決まりましたら、改めて

お知らせいたします。

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平成27年 全医連役員選挙について

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 1月からは役員選挙が動き始めます。次回の役員選挙では、代表

理事1名、理事3名を選出します。会費を納入していただいた方に、

選挙権、被選挙権があります。

 選挙管理委員会は現在2名の先生に担当していただいていますが、

お2人とも2年間の任期の2年目です。できましたら、1名の新選

挙管理委員を募りたいと考えています。

 会費納入と合わせて、お力添えをいただきたいと思います。

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全医連総会、集会について

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 平成27年6月7日に、全医連総会(午前)、集会(午後)を予定

しています。正式な日時、会場が決まりましたら、改めてお知らせ

いたします。

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ご寄付のお願い

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 毎度のお願いで恐縮です。ご寄付をお願いいたします。いただい

たご寄付は、「現場の医師の声」を、医療政策を立案する立場の人

たちや国会議員に届けたり、医療系メディアやマスメディアに届け

るために役立っています。多くの皆様方のご寄付をお願い申し上げ

ます。

 全医連活動、集会やオフ会などの集まりには、なかなか出て来ら

れない方も多いと思います。そのような方でも、全医連の活動に意

義を感じていただけるようでしたら、是非ともご寄付という形で全

医連活動にご参加いただきたいと思います。いつも御寄付いただい

ている皆様には、大変感謝しております。

 会計年度は、毎年4月1日から翌年の3月31日までです。

 ご寄付は、下記の口座、またはホームページの「入会・継続のご

案内」からお願いします。ホームページにはPayPalの窓口もありま

す。

全国医師連盟ホームページ(寄付のご案内もあります)

http://zennirenn.com/

ゆうちょ銀行

  神田支店 記号:10150

  口座番号:78411281

  口座名義:シャ)ゼンコクイシレンメイ

  (ATMなどからの振込にはコツが必要です。

   詳しくはホームページをご覧下さい)

みずほ銀行

  神田支店 支店番号:108

  普通口座 口座番号:1260830

  口座名義:シャ)ゼンコクイシレンメイ

 よろしくお願いいたします。

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編集後記

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 メールマガジン第53号をお届けしました。

 今回の衆議院選挙の結果からは、今後の日本の方向性が比較的わ

かりやすくなったとも言えるかもしれません。新年以降の日本が、

より良くなるよう願うだけではなく、1人1人が少しずつ行動して

いくことこそが重要なのかもしれません。

 この全医連メールマガジンも、世の中を良くするために役立つも

のにしていければと思います。「このような情報も載せてほしい」

「こんな情報があります」「こんな工夫をしてみたら?」などのご

意見があれば、是非お寄せ下さい。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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●全医連メールマガジン編集責任者:代表理事 中島恒夫

 (↓SNSのページ)

http://doctors21.jp/?m=pc&a=page_f_home&target_c_member_id=304

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