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[ニュースリリース]医療事故調査委員会関連の医療法改正案の根本的な問題点

 一般社団法人全国医師連盟(全医連)は、過日、国民全体の利益となる医療事故再発予防に関わる「医療事故調査委員会(事故調)」に関するアンケートを各学会や複数の医療系団体に送付しました。その結果はHPに記載したところです。(http://zennirenn.com/news/2013/11/10.html)

 今回の事故調関連法案に関しては、さまざまな団体からその問題点を指摘されていますが、アンケートの回答を見ると、問題点の認識については、各団体とも概ね一致しています。すなわち、
(1)厚労省案の事故調は、「医療安全と再発防止」と「責任追及」の両立し得ない二つの機能を持たせていること、
(2)事故調査と刑事司法の関係が整理されていないため、刑事司法介入の抑制が為されず、或いは関係者の証言が刑事裁判の証拠とされる可能性があること、
(3)業務上過失致死罪など単純過失を刑法犯としている日本の刑法制度が、事故調査組織設立への大きな障害になっていること、
などです。特に、事故原因の正確な解析のためには、当事者の真摯な証言が必要です。そのために「責任追及」を事故調査から切り離すことは、事故調査の手続における国際的な原則となっています。

 次期国会で予定されている、医療事故調査制度設立部分の医療法改正の審議については、全国医師連盟は、
・事故調査を刑事捜査に先行させることの具体的かつ実効性のある方策を盛り込むこと
・証言部分の刑事訴訟への流用禁止が規定されるか、そうでなければ事故当事者に黙秘権を認めること
・医療従事者個人も、第三者機関に対して事故調査を依頼する道筋を設けるべきであること
・以上の問題点が解決されなければ、事故調査機関は十分機能しないと考えられるため、必要な立法措置がなされない場合は、次期国会での医療法改正から事故調査制度の部分を省くこと
これらを、繰り返して主張し続けていきます。

 なお、日本の刑事司法が過失に対する刑罰を規定している現状のまま、医療事故調査制度を拙速に制定することはWHOのドラフトガイドラインと相容れないものとなり、国際的にも日本の医療の評価を下げることになりかねません。医療事故再発予防は国民全体の利益であり、事故原因となり得る要因を排除するための調査には、可罰性の否定は不可欠です。WHOが推奨する事故調査制度を構築するためにも、将来的には、単純過失を刑法犯から除外するため業過罪の改廃が必須であり、医療法改正のみで事故調査制度を制定することは不適切と考えます。

平成25年12月24日 全国医師連盟執行部

参考文献:
1.「医療事故調査関連の医療法改正案への公開質問」に対する11団体からの回答
  http://zennirenn.com/news/2013/11/10.html
日本整形外科学会、日本内分泌学会、日本脳神経外科学会、日本呼吸器外科学会、医療制度研究会、東京保険医協会、日本内科学会、一般社団法人日本病院会、日本医療法人協会、日本医学会、日本医師会(以上、回答到着順)

2.医療事故調査関連の医療法改正案への緊急声明
  http://zennirenn.com/news/2013/04/post-51.html

3.第12回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会
  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000003005u.html

4.WHO GUIDELINES FOR ADVERSE EVENT REPORTING AND LEARNING SYSYTEMS
  http://www.who.int/patientsafety/events/05/Reporting_Guidelines.pdf#search='WHO+GUIDELINES+FOR+ADVERSE+EVENT+REPORTING+AND+LEARNING+SYSYTEMS

2013年12月24日 全国医師連盟

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