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[ニュースリリース]2013年6月9日 プレスリリース 〜21世紀前半、日本の医療が生き残る道〜 持続可能な医療提供体制構築のために、急性期病院の集約化は避けられない

2013年6月9日
第6回全国医師連盟集会プレスリリース

〜21世紀前半、日本の医療が生き残る道〜
持続可能な医療提供体制構築のために、急性期病院の集約化は避けられない
一般社団法人 全国医師連盟

 2007年に発足した全国医師連盟は、現在の医療崩壊の本質が「医療の供給能力を超えた需要過多」であること、また医療の持続性を維持する上で、勤務医の長時間労働の是正が必要であることを繰り返し述べてきました。また、現在の政府与党は、主として経済面の問題から病院の集約化、再編の方針を打ち出しています。

 第6回全国医師連盟集会では、「医療現場はどのように変わるべきか」というテーマで議論を行いました。勤務医の労務実態は、労働法規の規制から大きく逸脱しています。長時間労働が、医師の健康面だけでなく、医療安全においても大きな悪影響を与えています。医学部での医師養成数は既に増加されていますが、その効果が全国に及ぶまでには10年以上の年月を要し、その間も高齢者の増加による医療需要の増大は続きます。また、増加する医師は高齢者と女性の割合が多くなり、現状の長時間労働を皆が続けるのは不可能です。

 医師数増加以外に医師の長時間労働改善の方法として、
(1)医師の労働生産性を向上させる、
(2)医療の需要を制限する、
があります。

(1)医師の労働生産性を向上させることは、一施設、一医師当たりの提供可能な医療を増加させます。そのためには、医師やその他の医療従事者、患者を急性期病院に集中し、病床当たりの職員を増加させることが必要です。また、チーム医療によって医師が本来行うべき業務にのみ専念できれば、医師の勤務時間も短縮できます。さらに、病院当たりの医師数が増加することによって交替制勤務を導入でき、医療の安全確保にも大きく寄与します。

 これを達成するためには、急性期病院を集約化することが不可欠です。集約化を実現するためには様々な障害があり、また患者さんの利便性を損なうという側面があります。しかし、現在の勤務体制を続ければ、急性期病院の崩壊が無秩序に起きるでしょう。ただし、急性期病院の集約化に際しては、全国一律ではなく、各地域の実状に合わせた配慮は必要です。

(2)同時に、医療機関の適正利用促進策として、診療所と病院の役割分担の見直し、介護分野との連携や、高次病院への受診抑制等のアクセス制限の導入も考慮されるべきです。例えば、病院での複数科受診ごとに再診料を課せば、外来機能を病院から診療所に移し、技術料を評価される勤務医のモチベーションを向上させます。

 不便になる患者さんも一部にはおられると思いますが、「持続可能で、より安全な医療体制」を構築するためには、急性期病院の集約化、再編、並びに医療機関の適正受診を誘導する等の需要抑制策の導入が必須であることを是非理解していただきたいと考えています。そのためには、メディアの皆様方の御理解・御協力が不可欠です。よろしくお願い申し上げます。

参考文献
・医師の長時間労働は医療安全に有害ではないのか--医師の勤務時間と医療安全に関する総説
江原 朗 Japan medical journal (4263), 73-78, 2006-01-07

・勤務医の過重労働:酷使される勤務医の実態と、その解消策
湯地晃一郎 東京大学医科学研究所 附属病院内科助教
http://www.huffingtonpost.jp/koichiro-yuji/post_4867_b_3363253.html

・平成23 年度日本外科学会会員の労働環境に関するアンケート調査
http://www.jssoc.or.jp/other/info/info20111221-2_2.pdf

・日本産科婦人科学会 平成20 年度厚生労働科学研究
わが国の病院産婦人科勤務医の在院時間実態調査
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20090524_iryotaisei.pdf

・持続可能な医療体制を実現するための全国医師連盟の五つの緊急提言
平成21年8月6日 全国医師連盟
http://zennirenn.com/opinion/2009/08/post-10.html

・医療の質を担保しつつ持続可能な医療体制を実現するための4つの提言
2011年12月20日 全国医師連盟
http://zennirenn.com/news/2011/12/20.html

・医療サービスの低下を容認せよ 予算投入のみでは解決しない問題がある
財団医療法人 中村病院 外科部長 太田信次
2010年2月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
http://medg.jp/mt/2010/02/vol-32.html

2013年06月09日 全国医師連盟

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