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[ニュースリリース]医療事故調査関連の医療法改正案への緊急声明

平成25年4月20日
医療事故調査関連の医療法改正案への緊急声明
一般社団法人全国医師連盟 執行部        

 厚生労働省の「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」の第12回会議が4月18日に開催され、会議後、厚労省医政局総務課長が医療事故調査を行う第三者機関の創設を盛り込んだ医療法改正法案を今秋に臨時国会が開催されれば提出する方針を明らかにしたと報道されている。
 現行検討されている医療事故調査組織は、日本の刑法の制約もありWHOガイドラインの掲げる真相究明、再発防止のための事故調査とは程遠い。真相究明と再発防止を目的とするのであれば、今回の事故調査法案には看過できない問題があると考え緊急声明を発表する。

1.院内調査を中心とする制度では、医療機関内部において利害対立が生じた場合に公正な調査が行われる保障がなく、病院管理者側が特定の医療従事者個人をスケープゴートに仕立てて責任を押しつける危険がある。(東京女子医大事件の反省)
 医療従事者個人が、院内調査の結論について不服がある場合に、第三者機関に対して事故調査を依頼する道筋を設けるべきである。

2.刑事捜査や刑事訴追の抑制に関し、法的な規制がなされておらず、法務省・検察庁・警察庁等の関係機関との間で、公式な取り決めすら無い。警察、検察が自主的に捜査や訴追を手控えることを期待するのみに留まっている。
 刑事手続面では、刑事訴訟法を改正し、事故調査が刑事捜査に優先することを明記すべきである。将来的には刑法の業務上過失致死罪規定の廃止や親告罪化等の改正を行うべきである。

3.現行法下では医療事故につき、医療者個人が刑事責任を問われる可能性がある以上、事故調査によって得られた証言の取り扱いには留意すべきである。
 すなわち、事故の真相に迫るには、医療従事者に安心して、隠し立て無く全てを供述してもらわねばならない。そのためには、事故調査で得られた資料のうち、カルテ等客観的な資料を除いた関係者の証言部分については、刑事裁判の証拠にできないことを、刑事訴訟法に定める必要がある。
 もし、刑事裁判における証拠採用の余地を残すのであれば、憲法上の黙秘権の保障(憲法38条)の趣旨からして、事故調査の対象者に黙秘権を認めなければならないと考える。

以上

参考文献
1.第12回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000003005u.html

2."事故調"の創設法案、今秋国会の提出目指す
  院内調査先行、遺族の第三者機関への依頼も可
  2013年4月19日 橋本佳子(m3.com編集長)
http://www.m3.com/iryoIshin/article/170536/

3.WHO GUIDELINES FOR ADVERSE EVENT REPORTING AND LEARNING SYSYTEMS
http://www.who.int/patientsafety/events/05/Reporting_Guidelines.pdf#search='WHO+GUIDELINES+FOR+ADVERSE+EVENT+REPORTING+AND+LEARNING+SYSYTEMS'

4.「過失を犯罪とする刑事法体系を見直すべきである。」
  一般社団法人全国医師連盟代表理事 中島 恒夫
  Vol. 92, 2013年4月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会
http://medg.jp/mt/2013/04/vol92.html#more

5.医療の安全確保と診療の継続に向けた、医療関連死および健康被害の原因究明・再発防止等に関する試案 [平成20年11月12日 全国医師連盟]
http://zennirenn.com/opinion/2012/03/-201112.html

2013年04月20日 全国医師連盟

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