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[ニュースリリース]2012年6月10日「終末期医療、看取り」についての記者会見発表内容

〜高齢者の終末期医療、看取りについて〜

 「終末期」と一言で言っても、実際の状況は多岐にわたります。医学的な身体状況だけではなく、人生観、死生観、宗教観なども大きく関わり、難しい状況の中でオーダーメイドに近い医療が行われています。そこでは本人、家族、医療従事者の思惑が入り交じり、また「医学は万能」「死は敗北」という思い込みも相まって、過剰な医療が行われ、本人の尊厳が蔑ろにされていると感じることが少なくありません。
 今後、終末期医療・介護は確実に増加し続けますが、そのような状況でも一人一人の尊厳を守ることのできる制度設計が、これからの医療には求められます。いくつかの学会からガイドラインが出ていますが、経管・経腸栄養や心肺蘇生を開始しない決定をした場合や中止をした場合に、医療従事者が犯罪者になる法体系を未だに改めていないことは、大きな問題です。尊厳を守るためには法を破らなければならない現状は、厚労省や議員連盟だけでなく、国民の間で広く議論をして、多くの国民が納得する法改正、あるいは新法の制定をすべきです。これらが解決されなければ、真の意味での尊厳を守った死を、達成できないのではないでしょうか。
 厚労省は、医療費抑制に重きを置いて多死社会への対応を進めているように見えます。 しかし、終末期医療の現場で医療費抑制を優先することは、死にゆく人の尊厳を損ない、望ましくありません。ただし、全医連提言2011でも述べたとおり、医療が持続可能であるためには、医療の供給力を整備するだけではなく、医療需要を抑制することも必須です。現在、介護現場も持続可能でないことが問題になっていますが、全国民が尊厳ある人生を全うするためにも、介護力不足を医療が一部肩代わりしている現状を是正するためにも、介護を充実させることはこれからの大きな課題であると考えます。
 長寿が当たり前となり、日本人は死を考えることが苦手になりました。しかし、死ぬ人は、今後急速に増えます。このまま死ぬ人の数が増えるとどうなるでしょう。今こそ、死とは何か、生命とは何かについて広く深く考え、国民の中に死生観を醸成するべき時期です。健康寿命の延長と尊厳ある人生のために、医療は何をどのように準備すべきなのか。一人一人は、家族は、社会はどうすべきなのか。そして自分はどこで誰とどのような死を迎えたいのか。そのようなことを話し合う「死の文化」が日本に根付けば、世界に先駆けて高齢化する日本は、この分野でも世界から一目置かれる存在になれるのではないかと考えています。広く議論していきましょう。

2012年07月05日 全国医師連盟

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